『10月3日はマヌケ記念日。』

やってしまった。
久し振りにやってしまった。

『もっともっとマンゲキ~アインシュタインの日』に向かう大阪メトロの車内。
「今日の開演何時やったっけ?」
いつも詰めが甘い。
チケットを取り出して時間の確認…。
「げぇっ!!」😱
………「げぇっ!!」😱😱
間違って10月8日の高島のチケット持って来てしもた!
「嘘やろ…。」😨
軽く目眩がして、電車のドアにゴツンとぶつかる。

こういう事があるから、いつもチケット発券は直前にしかせえへんって決めてたのに。
今日はちょっと時間があったから、ファミマに寄った時、10月8日の高島のチケットを発券して、それを持って来てしまった。
ご丁寧に鞄変えて。
う~う~。
「何やってんねんろ。」

去年の年末の大失敗が脳裏に蘇る。
毎年楽しみにしてる「夢の三競演~三枚看板・大看板・金看板」の会場、梅田芸術劇場に着いて、チケットを取り出そうとしたら…
ない。何処にもない。
「え…?」「嘘…?」
変な汗がドッと出る。
「なんで、なんで?」
会場の隅っこで、鞄の中身全部出して探す。
「あ、そういえば…。」
膝から崩れ落ちそうになった。
三枚看板のチケットはいつもの通勤バッグに入ってる。
洋服に合わせて鞄変えたのが裏目に出た。
仕事終わってダッシュで家に帰って、洋服着替えて、鞄変えて…。
年末の一番忙しい時期に3時上がりのシフトにしてもらったのに。
家の大掃除もまだ終わってへんのに。

「何してんの、あたし。」

ショックが大き過ぎて、なかなか会場から立ち去れなかったあの日。
お洒落をした大人の人達がニコニコして会場に入って行く。
あたしも目一杯お洒落して来たのにな。
それが裏目に出るなんて。

あれからもうすぐ一年経つのに全く学習出来てない。

そんなことお構いなしに、電車はなんばに着く。
もう踵を返して帰ろうかとホームにたたずむ。
けど、せっかく大阪まで来たのに。
なんばまで来たのに。
駅出てもうちょっと歩いたらアインシュタインはそこに居るのに。

「せめて同じ地面の上に立と。」

肩を落としながら地下街を歩く。
頭の中は〝何してんねんろ、何してんねんろ。〟のリフレイン。
往復の電車代+駐車場代でしめて2730円。
1500円のチケットよりはるかに高い。
「何しに来たん…。」

無理矢理なんとか気持ちを立て直す。
「そうや、高島屋に行こう!」
8月19日の名古屋シュタインの時間潰しにうろついた名古屋の高島屋
さすが高島屋
見る物全部欲しい。
組曲で見つけた短めウエスト丈に袖長のスウェット。
これに黒の細身ジーンズ合わせたらむっちゃ可愛い。
う~、う~。
欲しいけど、ここんとこ出費が続いてるしなぁ。
う~、う~。
やめとこ。
高島屋なら、なんばの劇場帰りに買えるし!

名古屋シュタインまでまだまだ時間はある。
スニーカーをチェックしに行く。
むっちゃ可愛いスニーカー発見。
棚の端から端まで全部欲しい。
うわぁ~、このトリコロールの配色の最高!
トリコロール大好き。
トリコロール最強。
困った時のトリコロール。
増殖し続けるトリコロールの洋服にグッズ。
でも、こっちの革のタイプも格好いいなぁ。
これからのシーズンならこっちか…。
散々散々悩んで止めておく。
これから名古屋シュタイン行くのに、靴の入った大きい袋持ってウロウロするか?
劇場帰りに買えばいいやん。なんばの高島屋で。

あの時に我慢したスウェットとスニーカー買っちゃえ。
合わせたら三万くらいするけど、もうええわ。
なんかヤケクソ。

それでまず組曲に行ってみる。
……ない。
全くラインナップが変わってる。
そりゃそうか。
名古屋シュタインは8月半ば。
今は10月。
ラインナップが変わって当たり前。
嫌な予感がしながら靴売場に行く。
…やっぱりない。
ここでもラインナップが変わってる。
ガックシ。⤵️⤵️
く~、なんであの時買っとかへんかったんやろ。
のんびりしてるのか、詰めが甘いのか、マヌケなのか。
多分全部当たり。🎯

時計を見たら7時を回ってる。
今頃みんな漫才劇場で笑ってるねんろな。
なんか、ずーんとなる。

「何しに来たん、あたし。」

しかも、いつの間にかタオルハンカチ落としてる!
手に持ってたはずやのに。
この前買ったばっかしやのに。
セールで324円やったELLEのハンカチ。
結構気に入ってたのにな。
そういえば、このハンカチもトリコロールの配色やった。

「もう何処までツイてないん…。」

どうしょうかな…。
ハンカチでも買うか…。

いつも高島屋来る度に、「うわぁ~、むっちゃ可愛い。恐ろしく可愛い。もう全種類欲しい。」と思いながら、一枚1000円の値段にビビって買えなかったVivienne Westwoodのハンカチ。

普段に買うには高過ぎる。
誕生日とか自分へのご褒美の時に買おう。
そう思って、持っては戻し。持っては戻し。を繰り返したVivienne Westwoodのハンカチ。

今日は買ってもいいか…。
誕生日でも、ましてやご褒美でもないけど。

しかし、ホンマに可愛い。
こういうのを若い子は〝鬼可愛い〟って言うんかな?
鬼でも妖怪でもなんでもいいわ。
厳選した3枚をチョイス。
しめて3240円なり。
324円のハンカチ落として、3240円のハンカチをクレジットカードで買うあたし。
何してんだか。

レジに行ったら「ご自分用でよろしいですか?」って聞かれた。
「はい。」

そうやけど。その通りやけど。
ここは普通「プレゼント用ですか?」ちゃうか?
どう見えてるんやろ?
イヤ、見方変えたら、普段からビビアンのハンカチを使ってるお洒落なお姉さん(おばちゃん?)に見えてるってことか。
モノは取りよう。

絶対落とさないように、紙袋の持ち手をギュッと持つ。

さあ、これからどうしょうかな…。

そういえばNGKは今ハロウィン仕様になってたな。
せっかく来たし、写真でも撮って帰るかな。

高島屋出てNGKに向かう。
途中パチンコ屋の前の大きなビジョンで「大阪もんのうた」を歌う藍ちゃんに迎えられる。
いつもは「藍ちゃん可愛いらしいな。」と思うのに、今日は「なんでやねん!」のツッコミが心に刺さる。

NGKに着く。
正面にハロウィンのディスプレイ。
まあまあ可愛い。
でもそれほどテンションは上がらない。
なんせ51歳。
ハロウィン🎃が自分の中に馴染んでない。
それでも来た印に写真をパチリ。
思ってた以上にロビーは閑散としてる。
そりゃそうだ。
この時間、劇場は正しく本番中。
後ろを振り返ると、よしもと漫才劇場の看板。
「あたしもあの中に居るはずやったのにな…。」
「会いたかったな……。アインシュタイン。」

やっぱりアホみたいに、のこのこ来るんやなかった。
一瞬、人生初めての出待ちをしようかと頭をよぎる。

絶対無理。

ヤバい。なんか泣けて来た。
スマホ持ったおばちゃんが、NGKのロビーで泣いてる場合やない。

こういう時は…、こういう時は、よしもとエンタメショップ。(なんでや!)
ちょっとアホくさいグッズが出かけた涙を引っ込めさせてくれるはず。

いつも寄る度に買って帰る、デコチョコ。
2個入りか3個入りかで迷って2個入りを買う。
ここで100円をケチるあたし。

もう帰ろ。
自分が何しに来たのか、考えないように、考えないようにして、早足で地下鉄に向かう。
ハァ~、なんかお腹すいた。
そういえば夕ご飯の事、何にも考えてなかった。
帰ってから食べるか…。

JRの電車の中でデコチョコを取り出す。
渡辺直美ちゃんとアインシュタインの2個入りのチョコ。
直美ちゃんを食べる。
1個食べたら余計お腹すいて来た。
アインシュタインのデコチョコ。
鞄の中に戻す。
手の熱で溶けへんように。
こうやって食べられへんアインシュタインのデコチョコが、冷蔵庫に溜まっていく。
これって賞味期限いつまでなんやろ?

駅に着く。
今日もポツンと待っていてくれたタンクに、「今日、チケット間違えてしもた。」と声を掛けて乗り込む。

米津玄師のアルバム『BOOTLEG』が流れる。
しまった。ラジオかテレビにすれば良かった。

アホみたいに、ポロポロ泣けて来る。
51にもなって。
ポロポロポロポロ…。

13曲目。『打上花火』でポロポロがボロボロに変わる。
14曲目。『灰色と青』でボロボロが嗚咽になる。
51にもなって。

この時間、お母さんはまだ起きてるかもしれへん。
こんな顔で帰れへん。
グルグルグルグル…。涙を乾かす為だけのドライブ。

もう二度と、凹んでる時に米津玄師なんか聴かない。
声が、歌詞が、切な過ぎて自分をコントロール出来ない。

涙を乾かす為だけの20分程の余分のドライブ。
余分だけど、日常に戻る必要な時間。
こうしてまた一日のスケジュールがちょっとずつ押して行く。

いつもチケットの半券をしまうポケットアルバム。
上のポケットに半券を入れて、下のポケットに今日の出演者を書いたメモ。
あたしのお笑い記録帳。
今日は半券じゃないから、ポケットからはみ出して、収まりが悪いチケット。
はみ出してる分だけ、自分のマヌケさみたいで、二つ折りにしてしまう。
初めて見る芸人さんの
名前書き入れるの、楽しみにしてたのにな…。

明日は髪の毛カットに行く予約を入れてる。
どんな髪型にするか、イマイチ迷ってたけど、バッサリ切ろう。
それで何が変わるわけでもないけれど。


10月3日。
世間では今日は『登山の日』らしい。

でも、あたしにとっては

『10月3日は マヌケ記念日。』