叩き売りのカレンダー

行って来ました!
坂本冬美コンサート2019』in ロームシアター京都・メインホール

お母さんが元気で歩けているうちに、出来るだけ色んな所に連れて行ってあげようと、一昨年くらいからちょこちょこ演歌のコンサートに行くようになった。
小林幸子さん、森昌子さん、石川さゆりさん、そして今回の坂本冬美さん。

坂本冬美さんが私の1歳上と知ってびっくり!!
もっと年上やと思ってた。
いや、老けてるという意味ではなくて、あばれ太鼓でデビューしてからずっと芸能界の第一線で活躍してはったから、なんか貫禄あって。

歌の素晴らしさは勿論、トークの上手さ!凄かった。
お客さんをイジって転がして、自分をクサしてちゃんと笑いにして。
デビューして33年らしいけど、ずっと舞台に立ち続けてるからこその話術。

昔は演歌がテレビで流れてたらチャンネル変えてたけど、ちょっとずつ染みるようになってきましたわ(笑)
でも、歌声艶があったなぁ~。
カバー曲も凄い良かった。

森昌子さんが家庭に入って引退して、離婚して復帰して来た時、あんなに歌の上手かった人がここまで下手になるんやって衝撃やった。
やっぱり歌って、声帯の筋肉鍛えないと衰えるんやって思ったもんな。
それがコンサートに行った時は、あの森昌子さんの歌唱力が完璧に戻ってて、「あ~、これこれ。この歌声。」って感動した。
ご本人も凄い下手になったと叩かれて努力したって言ってはった。

坂本冬美さんの歌声は男唄でデビューしてはるくらいやから、力強さは勿論あるんやけど、低音からの伸びが心地良い。
上手いけど、上手さが鼻に付かないというか、ずっとBGMで流れてても邪魔にならない心地良さと言うか、上手く表現出来ひんけど。

そして着物の美しさ!
良い着物はやっぱり違う!
京都の八坂神社辺りを、ペラペラの化繊の貸衣装の着物着てる観光客一杯見た後やから、余計素晴らしく思えたわ。
しかし、いつも思うねんけど、あの観光客用のペラペラの貸衣装、なんとかならんかね。
もうちょっと、ちゃんとしたのないんか?
時々、花魁の寝間着か?みたいなんあるもんな。
外国人観光客の女の人が着てる事も増えて来たけど、あれが日本の着物やと思われるのは、なんか嫌やわ。
そして若い子の歩き方のみっともなさ。
草履はスリッパやないのよ。
ま、慣れてないから仕方ないねんけどさ。

あたしのお母さんは着物道楽で、家に着物屋さんに来てもらって何着も仕立ててもらってた。
お姉ちゃん達はお嫁入り道具として、五枚くらい持たせてもらって。
あたし用に一枚、総絞りの浴衣を作ってくれたんやけど、これがあたしの嫌いな緑色。
お母さん、あたしが緑色の服着てるの見た事ある?
なんかあたし緑色着ると、顔色が悪いっていつも言われるのよ。
自分のテンションも下がるし。
こういうところがお母さんらしい。

でも、着物がどうであれ、あたしは恐ろしく着物が似合わない。
びっくりする程似合わない。
とにかく首が短いのよ。
着物を美しく着こなすのなら、寸胴が良いとか、なで肩が良いとか色々言うけど、結局は首よ。
首が長くないと似合わないのよ。
多少細い太いは、着物は補正出来る。
いかり肩も姿勢でコツを掴めばそんなに気にならない。
でも首が短いのは致命的なのよ。
あたしなんか、着物着て顔横向けると、肩の上がすぐ顔やもん。
首見えへん。
冗談みたいにみっともない。
着物着て京都歩きたいなぁ…。
真ん中のお姉ちゃんが、この頃着付け習って、お母さんに持たせてもらった着物着て、京都に食事行ったりするようになった。
やっぱり「良い着物やね。」と誉めてもらえるらしい。
羨ましい。
首短いって、洋服着こなす上でも致命的。
〝顔デカい、首短い、足短い〟
洋服着こなす上での三重苦と戦うあたし。
健気……。頑張るわ。

坂本冬美さんのコンサートに話戻そう。

二部制であたしが行ったのは夜の部。
途中、昼の部で2000円のカレンダーを1000円で叩き売りしたけど、それでも売れ残った(笑)カレンダーをご年配の方に差し上げますってコーナーがあって。
「90歳以上の方おられますか?」って問いかけに、あたしの3席隣のおばあちゃんが手を挙げて「91歳。」と。
客席に居るスタッフさんがカレンダーを渡しに来てくれるんやけど、次々に90歳以上の人が手を挙げて(凄い😄)、あたし達の席は1階のバルコニー席で、目に入りにくかったのか、スタッフさんが通り過ぎてしまって、他のご年配の方には渡して行くのに、あたしの3席隣のおばあちゃんは見過ごされてしまった。
そのままそのコーナーが終わりそうになって、おばあちゃんが
「あれ、くれはらへん…。」って言ってて、周りの席の人もザワついて…。
気が付いたらあたし、ステージの坂本冬美さんに向かって
「こちら、まだもらってはりませんっ!」って声張り上げててん。
キャパ2000人以上のロームシアターで。
あたし「こちらまだもらってはりませんっ!」
坂本冬美さん「えっ?どこ?行きませんでした?」
側の席に他にも手を挙げた人が居たので、その人と勘違いされてるみたいやったのよ。
あたし「最初に手を挙げはった方がまだもらってはりませんっ!」
坂本冬美さん「ああ、すみません、ごめんなさいね。スタッフさんあちらお願いします。」

スタッフさんがやっとやって来てくれた。
おばあちゃんにリレーの様にカレンダーを渡して、ちょっとした小さな拍手が周りで起こった。
おばあちゃんも喜んでくれて、良かった良かった。

普段劇場で、芸人さんに最後どうしても恥ずかしくて手を振れないのに、こういう時にはオバチャン根性丸出しで行ける不思議。

あたし、子供は嫌いやけど、お年寄りにはめっぽう優しいのよ。
特に困ってるお年寄りにはね。

いやぁ、おばあちゃんのおかげで、天下の坂本冬美さんと会話させてもらったわ。

ありがと。おばあちゃん。