5回目の正直。

さっき電話があった。

「真理ちゃん、29日の式典のリハーサルを、前の日28日の18時からさせてもらうのでよろしくお願いします。」

「え?あ……、はい。分かりました。」

月末の土日にちょっとしたイベントがあって、あたしはその運営スタッフ。

日曜日にちょっとしたセレモニーがあって、進行係なのだ、あたし。

11/28が何の日か皆さんご存知だろうか?

アニキの誕生日。

アインシュタイン河井ゆずる氏、
生誕40周年を迎える日なのだ。

アニキのファンでも何でも無い人にとっては、1㎜も必要の無い情報だろうが、あたしにとっては違う。

11/28の18時からリハーサル。

それはつまり、これへの参戦は出来なくなった事を意味する。

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ここ何年かはなんばグランド花月を貸し切って、誕生日にワンマンライブを行っているアニキ。

『声、枯れるまで』略して『声枯れ』。

あたくし今まで4回抽選に外れている。

只今4連敗中。
ただの一度も行った事無い。

ほんな事ある?

チケットよしもとのプレミアム会員で、人気のライブは当選したり落選したりしてるけど、まあ確率はトントン。

でも同じライブに4回連続で落選するってほんな事ある?

無茶苦茶人気のプレミアムチケットなのは間違いない事実。

けどよ。
けんどもよ。

チケよし、あたしになんか恨みでもある訳?

そこそこお金落として来たで。

4月からアインシュタインは東京進出して、活躍の場をルミネtheよしもとに移した。

「あ~あ。一度も『声枯れ』行けへんまま東京行ってしもたな…。」
「これからはルミネでやるんやろし、多分もう行ける事は無いんやな…。」

アインシュタインが東京行ってしまって、一番最初に沸き上がって来た感情がこれ。

な、の、に。

スケジュールの都合だけだろうけど、生誕40周年の『声枯れ』をなんばグランド花月でやると言う。

「嘘やんっ!」
「あたし、イベントのスタッフやし行けへんやん。」
「いや、待てよ。20:30開演なら、一日目の片付けとか他のスタッフにお願いして、ブッチで近江八幡駅まで行けば何とか間に合うやん。」
「ほやけど片付け手伝わへんのってむっちゃ気ぃ引けるな…。」
「スタッフの中ではあたしが一番若手やしな。力仕事せえへんのやっぱり悪いやんな…。」
「けど、けど、『声枯れ』やで!もう次からはホンマに東京でしかせえへんかもしれへんやん。」
「10年後の50周年なんてアニキがまだ第一線で活躍してる保証なんてどこにも無いやん。」
「ピンの単独ライブ出来るかどうかなんて分からへんやん。」
「40周年やで。節目の40周年やで。ゲストもむっちゃ楽しそうな仲良しメンバーやん!」
「むっちゃ豪華!絶対楽しいやん。無茶苦茶贅沢やん!」
「もうお願いしよ。真剣にお願いしよ。」
「大好きな大好きなお笑い芸人さんの誕生日の単独ライブなんです~。スミマセン、スミマセン。ちょっとだけ早よ帰らせて下さい!」
「ヨシっ!やっぱド真剣お願いして抜けさせてもらおッ。」

ちゅーても、チケット当選してからの話なんやけどさ!

でも4回連続で外れてんねんもん。
5連敗の確率って低いんちゃう?

もしかして、40周年の『声枯れ』に当選させてくれる為に、チケよし色々調整してくれてたとか?

なあ?
絶対そやって!

チケよし、偉いっ!
何処に力注ぐべきか分かってるやん。
あんた、なかなか使える奴やん!


クゥ~~。
虚しい…。

さっきまで勝手にチケよし爆上げキャンペーン、頭ん中で開催してたのにッ!

納豆やアサイーボウルやスムージーたら言うて、「お前は美魔女か!」てな美容と健康重視なもんばっかし食べてるアニキに、「米を食え、米を。日本人は米を食え!」と今まで5回もお米を贈って来たあたしを落とすんか。

っちゅーか、チケよしに落とされるとこまで行ってない。

行けへんねんもん。

神様仏様ご先祖様様。

あたしは何を間違えたんでしょうか?

うう″っ。

あ~あ。
ア~~ア。

けど、行けへんってハッキリしたら、かえってスッパリ諦められるっちゅーもんか…。

しゃーないもん。

運が無かったんやわ。

諦めよ。
諦めるのだ。

あたしは多分一生『声枯れ』には行けへん。
そういう星の下に生まれて来たのよ…。


「しゃーないっ!」




う。



ううっ。





う″う″っ。






行きたい。



行きたいっ!



行ぎだァーーーいッ!






アニギぃーーーー。



さようならぁ~~~~。

(ToT)/~~~


あたしが側に居なくても、元気で生きて行ってねぇ~。

(ToT)/~~~

人間40歳にもなったら、膝に水溜まるわ、筋力落ちて瞼は下がって来るわ、冷蔵庫のドア開けて「あれ?何取りに来たんやったっけ?」しばし呆然とするわで、「こんなはずや無かったんやけどな。」の連続。

そんな麗しの40代へようこそ。


フン。

書いてて虚しいわ。

京進出したら『声枯れ』はルミネでやるやろうけど、もしかしたらもしかしたらNGKでやる可能性が0では無いし、その時の当選確率下げへん為に、あんまりむやみやたらに劇場行くの抑えよ。

あ~あ。
そこまで考えてたのにな…。

しばらく生アニキに会ってない。

10/19の『よしもとお笑いライブin新大阪』以来か。

って事は丁度一ヶ月空いてるんや。

あ~あ。

それなら12/2のM-1グランプリ準決勝のライブビューイングに行って(これもチケットまだ獲得してないが。)、スクリーン越しやけど、アインシュタインの挑戦を大阪から応援しよ。

って思ってたのに!

「スコーン」と準々決勝で敗退するしよ。

もしかしたら今日になっても、ショックから立ち直って無いかも知れんけど。

そんな傷心のアニキに対するファンのコメントは本当に優しい。

「ショックでしたけど、私にとってはアインシュタインさんの漫才がずっと一番です。」
「また来年頑張って下さい。」
「これからもずっと応援してます。」
「辛くても前を向くゆずるさん、素敵です!」

素晴らしい。

一生懸命頑張るアインシュタインとその活躍を心から応援するファン。

美しい。

美しい。


「………………………。」





「ぬるいんじゃッ!」


「今年こそ今年こそ決勝行くんちごたんか?」

「芸歴何年目やねんっ!」

「毎年毎年決勝の有力候補って、ホンマに候補のまま終わってどうすんねんッ!」

「決勝行く行く詐欺かよッ!」

「準決勝のライブビューイング(クドいけどまだチケットは確保してない。)行って、アインシュタイン以外のむっちゃオモロい芸人さんの漫才観て、お腹抱えて大笑いして来たるッ!」

「虚しいわッ!」



あれ?

電話掛かって来た時は、ショックでちょっと涙出て来てたのに。


人間、色んなもんをガソリンに出来るもんですな。

ふぅ。



『声枯れ、行ぎだァァァーーーい。』