小さなファイター
朝6時半。
洗濯物を干しに勝手口のドアを開けると。
「オットぉ。」
2メートル程先に、体長30センチくらいの蛇君が。🐍
都会の人は信じられないかもしれないが、庭先や時には家の中の土間で蛇に出くわす事が、年に2回くらいある。
さすがに土間で見るとギョッとする。
ま、たいてい赤ちゃん蛇なんだけど。
「一体何処から入って来たんや?」
と、聞いても答えてくれる訳も無く。
今日もあまりジッとしてたので、一旦部屋に戻ってスマホを取ってきてパシャリ。
すると、その音にびっくりしたのか、鎌首を持ち上げて「シューッ」と威嚇されてしまった。
「ありゃ。むっちゃ怒ってるやん。」
「ごめん、ごめん。」
「そんな、怒らすつもり違ってん。」
「ごめん、びっくりした?」
なだめすかしても、威嚇を止めない蛇君。
ずっと戦闘態勢。
「アカン。本気やわ。」
今まで数え切れないくらいの蛇君を見て来たけど、こんなに威嚇してくるのは初めて。
普通は蛇ってのは、こっちからちょっかい出さなければ、シュルシュル…と逃げて行くのだ。
「あんた、まだ子供のくせにやるやんか。」
と、言ってはみたけれど、蛇嫌いのお母さんが畑から帰って来るまでに、おいとましてもらわなければ。
警戒しながら、敷地から出て行ってもらおうと箒で追い払ったら、ものの見事に植木鉢を置いてるすのこの下に入り込んでしまった。
ありゃ。作戦失敗。
もうでも、洗濯物干して朝ご飯作らなきゃ。
とりあえず、放っておいて洗濯物を干した。
チラッと見る。
すのこの下なので、居てるのかどうか、植木鉢をどけないと分からない。
多分居てるんだろう。
問題はその植木鉢のすぐ横が勝手口だという事。
暑いので、開け放しているのだけれど、下手したら家ん中に入って来るかも。
それはちょっと面倒くさい。
勝手口を閉めて朝ご飯作り。
お母さんが畑から帰って来た。
スマホで写真見せてあげると、「そんな気持ち悪いもん写真になんで撮るや?」と怒られた。
え~、あんまりバッチリ、ファイティングポーズの蛇君の写真撮れたから、見て欲しかったんやもん。
これ、ええ写真な事ない?
なかなか無いシャッターチャンスやと思うねんけど。
小さなファイター。
今晩、9時過ぎに帰って来たけど、何処に居てんねんろ?