母は強し、倉敷は遠し。
行って来ましたっ!
岡山、倉敷旅行。
元々の目的は、今シーズンで引退するかもしれない姪っ子のVリーグの応援。
でもどうせなら、GoToキャンペーン利用して旅行でもしよかっちゅー事で、土曜日倉敷観光、日曜日岡山シーガルズの応援へ。
スキーチームに入って馬鹿やってた時代の先輩が小さな個人旅行の会社をやっていて、GoToキャンペーンを利用したプランを考えてもらった。
近江八幡(在来線)~京都(新幹線)~岡山(レンタカー)~倉敷観光(レンタカー)~岡山の旅館。
これが1日目の日程。
新幹線乗るのは、2年半前に広島の和牛の単独ライブ行って以来。
母上は杖を使って移動。
でも倉敷観光用に押し車も持って新幹線に乗る事に。
これがなかなか大変。
自分一人なら、ちゃっちゃと階段やエスカレーターで移動すればいい。
でも必然的にエレベーターで無いと無理。
これが普段エレベーターなんて全く使わない、出来るだけ階段を使う様にしているあたしには、エレベーターの位置が頭に入って無い。
近江八幡駅なんて小さい駅なので、改札出たらそこにエレベーターが有る。
でも京都駅のホームの何処にあるのか分からなくて、たまたま側に居た駅員さんに聞く事に。(調べとけよ。)
丁寧に近くまで連れて行ってもらい、(そんなにおのぼりさんみたいに見えたんやろか?)エレベーターの前へ。
そこであれ?となる。
下にしか行かない。
ここで田舎もん且つ超絶方向音痴センサーが作動する。
「ホームから上がらなアカンのに、下に行ったらアカンやん。」
すると『上りはこの奥』の案内が。
「なんや、裏っ側なんか…。」
裏側に移動。
「エスカレーターしか無いやないかっ!」
釈然としないまま、押し車抱えてエスカレーターで上へ。
旅行会社の先輩に「真理ちゃん、新幹線の改札分かってる?JRの改札出てしもたらアカンで。そのまま新幹線の改札に行ってな。」と、初めてのお使いする小学生の様に懇切丁寧に教えて貰ってたので、新幹線乗り場の案内を探す。
『新幹線乗り場⬇』の案内が。
「ありゃ。新幹線乗り場って下なんや。」
「何でや?」
「駅から下に降りてホームに着いたのに、何でまた下に降りる訳?」
5秒くらいフリーズ。
「そっか。京都駅はデッカいから立体駐車場みたいな作りになってんねや。」
滋賀県のJRを利用してると、改札通ったらホームに降りる。
この行動しか取る事が無いので、ホームの下に更に降りるっちゅー概念が無いのだ。
えっちらおっちら押し車抱えてエスカレーターで上がって来たのに、エレベーターで再び地下に降りる理不尽な仕打ちに合うあたし。
新幹線の改札口を通って後ろを振り向くと、母上がゲートに止められてるのに、無理くり突破して出て来るところだった。
「何してる??」
駅員さんが飛んで来る。
近江八幡駅から京都駅までの切符をポケットに入れたまま、新幹線の乗車券だけを通したらしい。
乗車券渡した時に、「3枚共、通してな。」言うたやないか。
駅員さんに無賃乗車しようとした訳でなく、単なる田舎もんやと理解してもらえて、新幹線のホームへ。
乗ってみて分かった事やけど、ホームと新幹線の乗降口と、結構隙間が空いている。
押し車なのに押しては入れず。
抱えて乗り込む。
ようやく2年半振りの新幹線の乗客に。
快適。
座席が広いので、座席の隙間に押し車も鎮座させられる。
ここで母上と喋ってて、なんか話が噛み合わず。
母上「新幹線降りたらどうするえ?」
あたし「レンタカー借りんのよ。」
母上「車でどうやって船乗るやいね?」
あたし「船?船って何の?」
母上「岡山行くのに船乗らなアカンやろが。」
あたし「?????。新幹線降りたらもう岡山やん。」
母上「ほっから船乗らんでも行けるのけ?」
どうやらうちの母上、倉敷が四国にあると思ってるらしい。
あたし「ほれは四国や!倉敷は岡山県にあんのよ。レンタカーで走ったらすぐ!」
母上「ほうけ。」
こっちが呆けそうになる。
岡山駅の西口のトヨタレンタカーでピックアップしたヴィッツに乗り込む。
ナビに倉敷でランチする予定のレストランを入力。
ヴィッツってあたしの乗ってるタンクに比べるとシートがかなり低い。
「なんちゅー運転しにくいねん。」
そしてサイドブレーキ掛ける時にいつもの癖でフットブレーキ踏もうとして空振りする。
今時レバーのサイドブレーキって珍しない?
そして、この時あたしはしくった事に気付く。
「あ。ETCのカード持って来んの忘れた。」
倉敷まで下道移動。
元々新幹線代ケチって岡山駅降車にしたねんからまあええか。
むっちゃええ天気。
眩しいくらい。
倉敷まで快適ドライブ。
やっぱ車は楽ちん。
エレベーター上ったり下がったりせんでええし。
が、しかし。
超絶方向音痴のあたしはナビに言われるがまま。
どっち向いて走ってんのか分かって無い。
倉敷のレストラン周辺で「目的地に近付きました。音声案内を終了します。」とナビが言うて来る。
「今、案内終了してどないすんねんッ!こっからが分からんのに!」
ぐるぐるぐるぐる。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる。
倉敷駅周辺を2周したわ。
「アカン。分からん。」
路肩に停めて、スマホで更に検索。
レストランに隣接するホテルの電話番号を新たに入力して再び出発。
すぐ着いた。
「むっちゃニアミスかましてたやん。」
ようやく米蔵を改造したというフレンチレストランへ。
これが母上がチョイスしたランチ。
地域共通クーポン利用するから、普段家では作らないフレンチを…と思って来たのに、母上にかかるとフレンチも訳の分からん料理に成り下がる。
海老をマッシュポテトで包んだ一品。
ちょっとお裾分けで食べると、マッシュポテトが上品な甘味。
なのに。
「なんか味があんまりせえへんわ。」
ナイフとフォークの使い方が無茶苦茶なのでお箸を持って来て貰う。
「美味しい。」と言う訳でも無く、無言で食べる母上。
やっぱおうどんとかの方が良かったか…。
「温かいお茶が欲しいわ。」
お茶?
フレンチでお茶?
食後の紅茶頼んでるのに?
トヨタレンタカーで貰った観光案内のパンフレットに、パンフレット見せたらソフトドリンク一杯サービスってのを見つけたので、ウーロン茶を持って来て貰う。
店員さんはそんなクーポンがあるのを知らなかったらしく、責任者に聞きに行ってくれた。
無事ウーロン茶が運ばれて来たけど、「少しだけパンフレットお借りします。」と言うところを見ると、多分責任者も知らないクーポンらしかった。
まあこっちは母上のウーロン茶が運ばれて来ればそれでいい。
デザートは岡山のフルーツを載せたタルト。
母上、見て一言。
「小っちゃいもんやわえ。」
何かを探している。
あたし「何?」
母上「爪楊枝無いけ?」
爪楊枝を渡してあげる。
フルーツを爪楊枝で刺して食べ出した。
あたし「デザートフォークあるやん。」
母上「刺さらへん。こんで良い。」
デザートフォーク使いにくいんか。
そんならしょうがないか…。
爪楊枝でトッピングのフルーツを食べた後またしても一言。
母上「この緑のもんなんえ?」
あたし「マスカットやんか!どう見てもマスカットやんか!」
母上「ほうけ。」
がっくし。
○| ̄|_
母上にフレンチは意味を為さなかったと無言で食後のコーヒーを飲む。
まあいい。
あたしは堪能した。
お腹はち切れそう。
倉敷の美観地区に行くには、ここからなら歩ける距離。
でも母上の脚には遠い。
タイムズから一旦車を出して美観地区まで移動する事に。
駐車料金1200円!
高っ!
アホ臭さっ!
5分程移動して倉敷美観地区へ。
やって来ました!憧れの美観地区。
可愛いお店、お洒落なこだわりのお店。
覗きたい所が一杯!
でもここでも母上節炸裂。
岡山と言えば備前焼。
古民家を改装した様なシックな備前焼の器を売ってるお店の前で。
あたし「ここ見いひん?」
母上「焼きもんみたい別に見たない。」
あたし「(T_T)」
倉敷と言えばデニム。
お洒落なデニム生地を使った鞄や小物のお店が。
あたし「倉敷はこういうデニム、ジーパンの生地が有名なんやで。」
母上「パン売ってやんのけ?」
あたし「パン……?あ、パン🍞ちゃう。ジーパン!」
そして極め付け。
全く知らなかったんやけど、何と星野仙一記念館があるではないかっ!
そういや、岡山出身やった。
入館料500円。
こういうのって得てしてちゃっちいと言うか、そない大した事なかったりするけど、でも目の前にあるなら行きたいではないかっ!
あたし「この人知ってる?プロ野球の監督してやった人。」
母上「知らん。」
知らん?知らん?
なんで知らん?
あんだけあたしが毎日阪神阪神言うて、阪神の試合見て、プロ野球ニュース見て、翌日の新聞のスポーツ記事読んで、あーだこーだ言うて来たのに!
あたし「知らん?阪神の監督してやったやん。」
母上「知らん。」
あたし「ちょっと行ってみていい?」
母上「2階に上がらなアカンにゃったらええわ。」
ガーーン⤵️⤵️
行かへんのや。
目の前にあんのに。
でも石畳をずっと押し車押しながら結構歩いたので、もうそろそろ帰りたいんやろ…と無理は言わず。
あ~~、星野監督…。
仙さん。
仙さああん。
仙さああああああああああ~~ん。
サヨウナラ~~~😭
歩き疲れたらしいので、旅館に向かう事に。
ホントはもっと美術館行ったり、ワイナリー行ったり出来たらとレンタカー借りたのに、結局美観地区歩いただけで終わり。
母上がくたびれたら元も弘もないので、致し方ない。
致し方ないけど、これなら倉敷まで新幹線乗って、倉敷でレンタカー借りれば良かったんじゃね?と思いつつハンドル握って温泉旅館へ。
温泉はむっちゃデカかった。
デカ過ぎて、体洗ってると寒いくらい。
あ~、温まった!
夕ご飯は超豪華。
スタンダードメニューらしいが、絶対食べきれん。
フレンチは口に合わなかった母上も、こういう料理なら文句は無いだろうと思ってたのが甘かった。
母上「なんか変わったもんやわえ。これなんえ?たいして旨うないわ。」
それがこの一品。
お品書きが無いので分からないけど、多分海老しんじょうと松茸のあんかけ。
海老と松茸と料理長が泣いている。
母上「卵でとじたる下に何があんね?肉け?」
穴子やっ!
さっき仲居さんが説明してくれはったやないか。
結局お腹一杯でだいぶ残す羽目に。
美味しかったけど。
53歳と84歳の胃袋容量オーバー。
あ~~、でもやっぱり温泉旅館はええね。
明日も朝風呂入って来よ。
母上も満足したのか爆睡中。
その母上の鼾がうるさくて寝られないあたし。
母は強し、倉敷は遠し。
明日に備えて寝るべ。