雨上がり決死隊解散に思う事。
雨上がり決死隊が解散した。
解散する見込みというニュースを見た時は、「ええっ。」とびっくりして言葉を失った。
「何も解散してしまわんでも…。」
芸能記者、中西正男さんの言葉を借りるなら、『コンビの屋号が残っていても、実質コンビとしての活動はない。そんなコンビはいくらでもありますし、屋号が残っているメリットこそあれ、屋号を無くすメリットはほぼないのが現実です。』
まさにこれ。
今はコンビでの活動は難しくとも、何年先になるかは分からないけれど、いつか雨上がり決死隊として活動出来るその日まで、今のままでいいのに…。
そう思った。
と、同時に蛍原さんから言い出した事なんやろうなと感じ、実際その通りだった。
アメトーークCLUBの配信で会見の模様を見る。
解散会見は、テーブルの上にマイクを並べてというのでも無く、芸能リポーターに囲まれてと言うのでも無かった。
アメトーークのセットに、宮迫さんと蛍原さんが並んで登場。
このシーンだけで、「おおっ。」と気持ちが高揚する。
あたしは毎週欠かさずアメトーークを録画するようになったのもこの3年程の事だし、雨上がり決死隊がどれだけ面白いかは知っていても、ずっと若い頃からフォローしてた訳でも無いので、アメトーークファンとしては浅い部類に属してる。
それでも、やっぱり二人並んで出て来るだけで、こんなにテンションが上がるんやと、ちょっと自分にびっくりした。
宮迫さんが抜けて、蛍原さん一人でMCを務めた初回。
申し訳ないけど、「ホトちゃん一人で番組回せる?」と不安の方がずっとずっと大きかった。
いつもより声が大きくて、緊張を隠せない蛍原さん。
ゲストの芸人さんもみんな緊張してた。
それでも、みんなで蛍原さんを盛り上げてこの番組を続けて行くんやと、芸人さん達の覚悟が見えた初回だった。
もう雨上がり決死隊の冠番組というだけに留まらない、芸人さん達にとっての大切な場所にアメトーークという番組が育ってるんやなと感じたあの回。
そんな番組に対して、常々、「テレビの世界に戻るならアメトーークで。」と公言し続けて来た宮迫さん。
その宮迫さんに対し、朝日放送のアメトーークのセットに、番組に縁の深いFUJIWARAさん、ケンコバさん、加納英孝さん、東野さん、出川哲朗さんをゲストに招いての解散会見の場を設けてくれた事。
この事実だけでも、アメトーークという番組が宮迫さんに対して敬意を払っていてくれると感じられる。
同時に、このような会見が地上波放送では無く、配信コンテンツでしか見られ無い事に、反社会勢力の会合に出席してしまった宮迫さんの罪ってこんなにも重いのかと思い知る。
会見では涙を堪え、何とか明るくそして少しでも笑える余地を残そうとする宮迫さんと、自分の決意の硬さを踏み締めて立っている蛍原さんという図式に見えた。
『やすとものいたって真剣です』に蛍原さんが一人で出演した時。
蛍原さんは、洗いざらい今の自分の気持ちを話す事はしなかった。
一人で活動する現状、宮迫さんに対する思い、今後の事。
凄く複雑そうに、
「ここで全てを話すという訳にはいかんのよ。」
「なぁ、やすとも。そこ分かってくれよ…。」
そんな心の内が見える様なトーク内容だった。
相方が不祥事を起こした場合、残された相方は、その事件を面白可笑しく語る事で、相方を下げて、自分自身を自虐ネタに落とし込み、上手く立ち回る芸人さんは多い。
その方が、周りの人も笑いに変えやすいし、「イジっていいんや。」と早く思ってもらえる事で窮地を脱する事だって出来る。
例えば、アンジャッシュの児嶋さんなんて、実に上手く切り抜けて、今の大活躍がある。
でも、そういう手段を蛍原さんは取らなかった。
取りたくなかったと言った方が正しいのかも知れない。
それだけ、蛍原さんにとって雨上がり決死隊は、大切で大きくて何にも代え難くて、他の誰からも軽く扱われたり、ぞんざいに踏み込んで来られたく無い居場所だったのだろう。
会見で蛍原さんが、「宮迫さんのYouTubeに後輩達が出演する時に、僕にもわざわざ連絡くれる。それが辛いな苦しいなと思ってました。」と語った。
今この現代で、芸人さんの世界程義理人情を大切にする世界は他に無いのかもしれない。
筋をちゃんと通そうとする後輩。
その気遣いが心苦しい蛍原さん。
誰も悪く無いのに、結果的に蛍原さんが苦しむ事になる皮肉。
宮迫さんに「頑固で繊細。」と評された蛍原さんの真面目さ、男臭さ、愚直さ、熱さ。
どうしても自分の中に生まれた気持ちを見ない振りして、騙し騙しやって行く事は出来なかった。
そういう事なんだろうと思う。
「宮迫さんがYouTubeを始めた頃くらいから、価値観や方向性が(のズレ)大きくなってしまった。」とも語った蛍原さん。
ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんの復帰イベントの前日にYouTubeデビューした宮迫さん。
「うわ。なんでまたこのタイミングなん…。」
「焦るのは分かるけど、もうちょっと方法があったやろうに…。」
宮迫さんを応援したいという気持ちとは反対の感情が自分の中にジワーッと沸き上がる。
その感情を抱えたのはあたしだけでは無くて、あの時から一気に雨上がり決死隊復活が遠くなった気がしてならない。
「せめて、YouTubeデビューする前に、蛍原さんに事前に相談していれば…。」
「YouTubeデビューするにしても、もう2、3週間後にしておけば…。」
いや。
やっぱり。
吉本興業に真正面から、
「本当にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。」
「心入れ替えて一から頑張りますので、もう一度チャンスを下さい。」
宮迫さんが誠心誠意直接お詫びを入れられたなら、きっと吉本興業だって、会社にとっての功労者である雨上がり決死隊の宮迫博之という人間を切ったりしなかったに違いない。
そう思えて仕方ない。
今更何を言っても仕方ないし、そんな事は擦り切れる程何度も何度も反芻したに違いないだろうし、外野がゴチャゴチャ好き勝手言うべき事では無い。
分かってる。
分かってるけど…。
残念で残念でしょうが無くて、ついつい書き込んでしまった。
雨上がり決死隊という形は終わってしまったけれど。
これからもよろしくお願いします。