第17代チャンピオンは錦鯉!
6017組。
史上最多の参加、12000人がしのぎを削って行われた今年のM-1グランプリ。
年々豪華になるセット。
どれだけお金が掛けられてるんだろ?
ちょっとずつ長くなっていってる気がする煽りVTRと言い、スタッフさんの本気が凄い。
今年は審査員の登場が例年と違い、幕が降りた向こうに全員が立っていた。
異様な圧迫感。
そして、居心地悪そうな審査員の面々。
この登場ってでも、緊張感が増す。
あたしは例年通りの方が好きだな。
さて、トップバッターは初出場のモグライダー。
美川憲一さんのさそり座の女の歌い出し、「♪いいえ、私はさそり座の女~」の〝いいえ〟に着目した着眼点が凄い。
「さそり座の女の可能性を全部潰したい。」
なんじゃそれ!
でも、二人の掛け合いの間もバッチリ。
飛び道具の様な異色のコンビ扱いだったと思うけど、むっちゃちゃんとした漫才だった。
得点は637点。
これってトップバッターでは最高ちゃう?と思ってたら、トップバッターとしては過去最高得点だったらしい。
2番目には、台風の目になるかもと予想してたランジャタイ。
「なんじゃこのネタ!!」
「これを決勝に持ってくんのか!!」
「奇天烈ッッ!」
予想の斜め上を行くネタで、どう評価されんのか、全く分からん。
爆笑してる司会の今田さんと対照的な上沼さんのこの表情!
ちなみにこの時、上沼さんは気絶してたらしい。
ネタが終わった瞬間、審査員のみんなが揃って頭を抱えてる図が最高に面白かった。
これがランジャタイのネタの全てを物語ってる。
巨人師匠が87点を出した時に、手を叩いて喜ぶ国崎君。
優勝どうのより、思いっ切り自分達のやりたい事をやり切る、それだけなんかも。
松本さんの「観る側の精神状態による。」
「自分の体調を知るにはいい漫才。」の秀逸なコメントが飛び出して、628点。
3番手登場のゆにばーす。
男女コンビならではのネタ。
男女コンビでやるならこれしかないってくらいのネタ。
川瀬名人が研ぎ澄まし倒して来たんだろうなと言うしっかりしたネタ。
でも、モグライダー、ランジャタイと飛び道具が続いた後からなのか、ウケてるけどもっと爆発してもええのにな…と思ってると、638点。
狙ってた点までは届かなかったのか。
4番手に敗者復活戦を勝ち上がったラストイヤーのハライチ。
極寒の敗者復活戦ではTシャツだったのに、屋内ではシャツにトレーナーなんかよ、の澤部君。
どうやら、あのTシャツ紛失したらしい。
なんと、敗者復活戦とは違うネタで来た。
岩井君が子供の様に駄々をこねまくる後半。
これがやりたかったネタなのね。
636点と出た時の岩井君の晴れ晴れとした表情。
ちょっと悔しそうな澤部君とは対照的。
続いて真空ジェシカ。
仕込んだボケ仕込んだボケが全部ちゃんと爆笑取って面白いのは勿論、上手いなぁと思った。
638点はゆにばーすと同点。
ここで敗退となったハライチ岩井君の
「M-1グランプリありがとう。楽しかった!」にジンとする。
そして、優勝候補、3回目の出場のオズワルド。
あたしは伊藤君のツッコミが大好きなんだけど、今回畠中君のキャラが秀逸だと改めて思った。
本心が見えない謎感。
ずーっと何を考えてるのか分からない不気味感。
巨人師匠の「直すとこ無いんちゃう。」
礼二さんの「上手いですね。」
塙さんの「漫才師の憧れですね。」
も引き出して665点!
7番手に漫才劇場からロングコートダディ。
「ワニに生まれ変わりたい。」ってどんな発想やねんってネタ。
でも、これって堂前君が兎君に「生まれ変わるなら何に生まれ変わりたい?」って聞いた時の答えが本当にワニだった所から出来上がったネタなんだと。
ワニに生まれ変わりたい兎。
なんだかややこしい。
肉うどんのワードが沸く。
吸われて食べられる時の一瞬のジェスチャーで、肉うどんとしての天寿を全うしたと分かるのが、さすがコント師。
649点は胸張っていい点数。
8番目に錦鯉。
登場のツカミから笑い倒してしまう。
「寄り合いって言えよ。」で爆笑。
「緑色の水飴が田んぼの味がするんだよね。」にお腹捩れる。
後半に向けての畳み掛けも盛り上がりも最高!
文句なし!
655点でオズワルドに次いで暫定2位。
9番目にインディアンス。
いつもながら、凄いボケ数と勢い。
スピードと言い、反射神経と言い、もう何と言うかアスリートみたい。
力業とも言えるインディアンスならではのパワーで655点。
ラストにまだ結成4年目のもも。
この〝〇〇顔やろ〟はこの後流行りそう。
普通に笑って見てるけど、これが結成4年目って考えると信じられない。
645点と5位。
2本目を見たいと思わせる、伸びしろに期待しかない、立派立派。
これにより、最終決戦進出はオズワルド、錦鯉、インディアンス。
納得の3組。
初出場が5組と一気に若返った今大会。
若手にかき回されそうと思われてたけど、蓋を開けてみたら実力派の経験者が勝ち残った形になる。
最終決戦でのインディアンス。
1本目と変わらず圧倒的なボケ数とスピード。
凄い。
この漫才を他の実力派の漫才師にやれと言っても絶対に出来ないと思う、これぞインディアンス。
でもだいぶ短く感じた。
すると実際に3分10秒だったとか。
短っ!
これも作戦?
そして、錦鯉。
「俺さ、街中に逃げた猿を捕まえたいんだよね。」の始まりから、もうこの先何が起こるんやろとワクワク感しか無い。
猿と格闘する長谷川さんなんて、反則。
渡辺さんが頭をバシバシ叩きながらツッコミを炸裂させる度に笑いが増殖。
あ~、面白い。
そして、大トリのオズワルド。
オズワルドの魅力たっぷりの良いネタ。
良いネタなんだけど、錦鯉のはちゃめちゃなネタの後だと、もっともっとと刺激を求める脳になってしまってるのか、ほんの少しだけ、本当にほんの少しだけ物足りなさを感じてしまった。
トップ通過したからこそのネタ順のあや。
でも、これは難しいぞ。
3組の差なんてほとんど無い。
ほとんど無いけど、あたし的には無条件に何も考えずに爆笑した錦鯉かな。
そして、運命の最終結果!
なんと、錦鯉の圧勝!
抱き合う二人。
号泣する長谷川さん。
そして、号泣する富澤さんと塙さん。
そして、号泣するあたし。
はぁ~、感動したっ!
そして、何より優勝が錦鯉に決まって集まって来た他の漫才師の顔がみんな笑顔だったのが印象的。
特にあれだけM-1グランプリにこだわって来た川瀬名人の笑顔に目が行った。
これだけ周りから祝福されるチャンピオンは過去と比べても初めてじゃないかな。
なんだか無茶苦茶嬉しい。
こうなると心配なのは、有名した後の殺人的スケジュール。
とろサーモンの村山さんでさえ、体がボロボロになった。と言っていた。
しっかりおっさんの錦鯉二人。
大丈夫か?
寄せ木細工の様に、少しでも空きが出来たら詰め込む吉本とは違うだろうけど、とにかくお身体に気を付けて!
優勝おめでとうございますっ!
そして、あたしは気が付いた。
あたし、渡辺さんのツッコミが大好きだ。
堪らなく、好きだ!