消える片目猫
今にも降り出しそうな空の下、琵琶湖清掃に参加。
参加者と
「雨どうですかね?」
「なんとか最後までもちますかね?」
と、声を交わしながらスタート。
ゴミは今やG 20 でも議題に上がっているプラゴミがほとんど。
ペットボトルのキャップにビニールの紐がボロボロになっている物等。
一個一個は小さいけれど、だからこそ魚や鳥が誤飲してしまう。
何度も往復して丁寧に拾う。
波打ち際は砂が揃っていて美しかった。
清掃が終わった途端、土砂降りの雨。
こういうのを偶然とか、たまたまと思ってしまえばそれまで。
あたしはやっぱり神様はちゃんと見てくれてはるんやと思ってしまう。
また機会があれば参加しよう。
この前から家の中でオカルト現象が起きている。
胡暮ちゃんの母親とはまた別の縞柄の野良猫が家の周りをウロウロしている。
この子は喧嘩でもしたのか、左の眼球が無い。
2年くらい前から姿を現した片目猫。
この2カ月程は、裏の勝手口を開けると漬物用ポリバケツを置いている棚があって、そこを定位置に、いつも居るようになった。
半分住み着いた状態。
時々、魚を食べた後の骨とか、手羽先の骨とかを勝手口開けて置いておく。あたしとジーッと目を合わせながら、警戒しつつもの凄い低姿勢で食べる。
でも別に家の中に入って来る訳ではなかったのだ。
この前までは。
それが二週間くらい前から、隙があれば家の中に入って来るようになった。
勝手口の網戸が蛇腹式で、猫なら下をくぐれば入って来れるのだ。
「コラッ!」と怒ると出ては行く。
あまりにも頻繁に入って来るようになったので、ここ最近は網戸にするのをやめて、勝手口は閉めておくようにした。
それなのに!
気が付けばいつの間にか家の中に居るのだ!
勝手口閉まってるのに!
「どっから入って来たんっ?」
聞いても答えてくれる訳もなく。
それだけならまだいいのだ。
怖いのはこっから先。
土間で見つけた片目猫を怒ると、パッと居間に上がって縁側に逃げ込む。
そして逃げ込んで……
消えるのだっ!
何処行くの?
なんでっ?
縁側から逃げ出さないように、居間と縁側の間の硝子戸を全部閉める。
居間と奥の部屋と二間分の縁側。
そこから消えるのよ!
なんでっ?
『どこでもドア』みたいなんが、うちんちにはあるのか?
縁側の突き当たりに、洋服ダンスが置いてあって、それはお母さんがまだ若い頃に買った物なので、扉がちゃんと閉まらず空いたままになってる。
この洋服ダンスの中に逃げ込んだのかと思って、中を覗いても居ないっ!
何処行くの?
うちの家、何処かで異空間と繋がってる?
これがたったの一回なら、目の錯覚かと思う。
でも、今週一週間で3回起きたのよ!
しかも、お母さんは白黒の子猫を咥えてたのを見たと言う。
あたしも子猫の鳴き声を一回聞いた。
どうなってんの?
そして、ついさっきもお風呂入ろうと思ったら、またしても片目猫が土間に居て、あたしの足元をすり抜けるように縁側へ。
そして……消えた…。
……怖い。
誰か、誰でもいいから、この謎を解いて。
お願い!