24時間テレビ狂騒曲
24時間テレビが終わった。
と、もう既に二日経ってるが。
あたしは、どうにもこの24時間テレビが苦手だ。
デーブ・スペクターさんみたいに、喧々攻撃するつもりはないが、何と言うんだろう。
なんか、『感動の押し売り』みたいでしんどいのだ。
障害を持ってる方や、被災された方が、今までチャレンジしたくても出来なかった事を、この番組を通して本当に努力した上で目標達成される姿は素晴らしいし、のほほんと生きてる自分の姿を省みるきっかけになったりもする。
その部分に対して文句言うつもりは微塵も無い。
ただやっぱり、演出過多と言うか、もっとシンプルに見せてよ。と思ってしまうのだ。
番組を通して「頑張れ頑張れ!」がずっと聞こえる。
それがなんかしんどいのか…。
その場に居合わせたら、きっと心の底から応援したくなって、おべっかでもテレビ映りを気にするでもなく、自然と出てしまうのだろうけど。
でも、もう半年分くらいの「頑張れ!」を聞いた。
それにしても、24時間マラソンならぬ、24時間駅伝の凄い事。
この番組が始まった当初とは日本の気温は変わってしまった。
真昼間に35℃を超える東京を走るなんて、自ら熱中症になりに行ってる様なものではないか!
と、あたしはこの企画が、番組の目玉とは言え無謀に思えて、そろそろ止める事を考えた方が良いと真剣に思っている。
思っていた。
でも、四人でタスキを繋ぐ形にしたことで、一人の負担軽減と新たなドラマ性と感動を呼ぶコンテンツになったと思う。
なんかあたし、無茶苦茶偉そうやな。
こんな偉そうな事を書いてるけど、チラッチラッとしか見てなくて、翌日のスッキリでがっつりやっていたのを見た。
四人のランナーが全員好感の持てる大好きな人達。
でもだからこそ、今までほとんど走った事のない、ランナーとしては素人の女性が、ほんの2、3か月の練習でフルマラソンを走るリスクに頭がいって、「頑張れ」よりも「大丈夫?」の方がよっぽど大きかった。
今回は100キロでなかったからまだマシだったかも知れないけれど、過去のランナーでこのマラソンが原因で膝を痛めたり、股関節を傷めたりしている人が実際に居るのだ。
春菜ちゃん、よしこちゃん、水卜ちゃん、あさこさん。
ホンマによく頑張りました。
今日くらいがもしかしたら一番痛みが襲って来てるんじゃないかな?
翌日のスッキリに相変わらず笑顔で出演してた水卜ちゃんが、着ていた洋服にはおよそ似つかわしくない、中高年が履く様なスニーカーを履いていたのが、身体の悲鳴を物語っていて胸に迫るものがあった。
「皆さんの声援が膝とか痛い所にビシッビシッと効いて、声援がロキソニンみたかった。」
春菜ちゃんの名言。
痛み、辛さ、眠さ、暑さ、しんどさ、プレッシャー…。
全部全部感謝で受け取れる四人に頭が下がった。
特に水卜ちゃん!
総合司会して、寝不足で、笑顔笑顔で「楽しかった。」と走り切り、そこからまた司会して、翌日スッキリに出演する。
あんたは観音菩薩様か。
ひれ伏しそうになった。
あれは男の人には出来ない。
もし、男性アナウンサーなら、その後総合司会したとしても、要所要所にしんどかった顔を散りばめ、「俺はマラソン走り切った後に、こんなにもしんどい総合司会をやっている」的な姿を挟み込んでしまうはず。
水卜ちゃんにはそれが一切無かった。
(ちょいちょいしか見てへんのに言い切るあたしもあたしだ。)
女の人の胆力は凄いのよ。
でも、こうして考えると、やっぱり24時間テレビに24時間マラソンは、無くてはならないものなのか。
でも、あたしがもし芸能人で、このマラソンのオファーが来たら、絶対に断る!
死んでも嫌だっ!
ぜーったいに嫌だっ!
なんで日本中の感動を背負って、身体ボロボロになってまで走らなアカンねんっ!
断固として断るっ!
あたしは胆力ではなく、妖力で生きて行くのだ。
胆力か、妖力か、どっちを備えているのかまだ不明の今日のいっちゃんをどうぞ。
ほぼ、ビリケン様。