まな化ット?
昨日、仕事終わりにヘアカットに行って来た。
いつもカットしてもらう時は、雑誌の切り抜きを持って行ったり、スマホの画像を見せたり、具体的なイメージを伝える様にしている。
ただ問題は、参考にしたモデルとあたしの見た目にかなり開きがある事だ。
自分の外見に対するコンプレックスがもの凄く強いあたし。
出来るだけ写真にも収まらないし、自撮りなんてとんでもない。
太い。手足が短い。首が太い。指がゴツゴツしてる。
コンプレックス数あれど、最近の小顔ブームで、顔の大きさに対するコンプレックスが昔より増大した。
顔もそこそこ大きいけれど、額の生え際から頭頂部までの距離が長い。
それゆえフロントの髪量が多い。
おまけにスーパー直毛だ。
何度かパーマもチャレンジしたけど、当たらないし、当たっても二週間程で取れてしまう。
デジタルパーマだなんだと挑戦した事もあったけど、お金ばっかり掛かって思う様にならないので、もう諦めた。
直毛過ぎて、朝起きると分厚いヘルメットを被っているみたいな自分に出会う。
ほんの少し前髪をかき上げる様にクセ付けようとしても、これがなかなか手強い。
そんなあたしが今回ヘアスタイルの参考に取り出したのは、スマホ
これはTwitter画像だが、こんな感じ。
53歳のおばさんがよくぞこんな若くて可愛い女の子の画像を、厚かましく持って行けたな!と言われたら「おっしゃる通りです。」と頭を垂れるしか無い。
でもあたくし、今のまなちゃんの髪型凄く好きなんですの。
自分でも「こういう風にしたい。」の参考にまなちゃんの画像を先生に見せるのは、かなり勇気がいった。
でもそこは、高校1年の時からの35年以上の付き合い。
恥を忍んで見せました。
まなちゃんの画像を見た先生の第一声は、「可愛い子やな、この子。」
あたし「そやろ。むっちゃ可愛いねん。」
先生「芸能人?」
あたし「う~ん。作家さん。」
(ここで〝AV女優〟と口にする勇気が無かった。)
先生「若い作家さんやんか。」
あたし「本業はグラビアアイドル。」
先生「へぇ~。」
あたし「………。」
(なんか、セコい嘘をついたみたいで、しばらくこれでいいのか、自問自答。)
あたし「ホンマはAV 女優 やねん。」
先生「へぇ!ほんで本も書かるの?」
あたし「うん。朝日新聞の書評欄でも、最新刊の事べた褒めしてたわ。来年くらい芥川賞の候補になるかもよ。」
先生「へぇ~~。」
と、まなちゃんの素性についてはここまで。
先生が改めてまなちゃんの画像を見る。
そして、あたしの顔を見る。
先生「う~~ん…。」
先生かなり悩む。
先生「この子と真理ちゃんの髪質がだいぶ違うからなぁ。この子はかなり柔らかくて細いわ。」
あたし「確かに。髪の毛の長さも足らんし。」
先生「前をだいぶすいて、こうして…ああして…こうなって…。」
先生、かなり苦心している。
あたし「今すぐは無理やけど、髪の毛伸びてもう一回カットに来て完成するイメージなんやけど。」
先生「うん、そうやな。頑張ってみるわ。」
………。
頑張らなアカンのか?
まあ、頑張らなアカンわな。
そこから色んな話をしながら、小一時間。
途中「もう一回見せて。」とまなちゃんの画像を確認した先生。
カットは出来上がった。
そしていつもなら、チクチクするのが嫌で、真っ直ぐ家に帰ってすぐお風呂に入るので、ドライヤーで風を当てる程度で、セットなんてほとんどしてもらわないのに、昨日は先生自らドライヤー片手に少しサイドをふんわりさせたり、前髪を軽く流してみたり。
セットしてくれた。
そして、ドライヤーのコンセントを抜き、クルクルと巻いて置く。
それから、あたしの両肩に手を置いて、鏡の中のあたしの目をジッと見てこう言った。
「ゴメン。先生に出来るのはここまでやわ。」
先生っ!
先生~、せんぜぇ~~。