隣人。その10【脳内アニキVol.15】

アニキを新大阪のホームで見送った翔は急いで自宅に戻り、師匠の仕事を終えて、帰って来た竜一を何事も無かった様に出迎える。

翔「パパお帰り。もう織田さんとこの仕事はええの?」
竜一「おう。なんやわざわざ呼び出した割にたいした仕事やあらへんかったで、わしこれから東京の娘んとこ行かなアカンさかい言うて帰らしてもろた。あれは多分中村の差し金や。」
翔「(うわ、全部バレてるやん。織田さん芝居下手くそやな…。)そうなんや。パパじゃあ姉ちゃんとこ行くの?」
竜一「おう。翔お前も一緒に来い。河井の事はお前が一番詳しいやろ。ナビせぇ。」
翔「う、うん。連れてって。」
竜一「おっしゃ。ほんならすぐ支度せぇ。」

と言う事で、東京に向かう新幹線の車内。

軽く鼾をかきながら口を開けて寝ている竜一の隣で悩む翔。

翔「とりあえずパパにくっついて来たけど、こっから先どうなんねんろ?パパがどう動くのか分からへんし、オマケにゆず兄が何時にマンションに戻って来るかもハッキリせえへんのに…。」

テーブルに置いておいたスマホが光る。

楓からのlineだ。

「どうなったん?」

「あ、バタバタしてて姉ちゃんに、報告すんの忘れてた。」
竜一を起こさない様にそっと立ち上がりデッキに移動する翔。

翔「あ、もしもし、姉ちゃん?」
楓「あんたあれからどうなったんよ?ママがさ、パパと翔がこっちに来るって言ってるって、これであいつの芸人人生も終わりやなって、さっきから変なスイッチ入ってしもて無茶苦茶怖いねんけど。」
翔「マジか。今パパと新幹線に乗ってる。」
楓「何時頃こっちに着きそうなん?」
翔「多分8時頃。もうみんなで夕ご飯食べに行ったらええんちゃう?そしたらゆず兄に出会わんで済むやん。」
楓「ってか、肝心のゆずるは何時に帰ってくんのよ?」
翔「そんなん僕にも分からんわ。」
楓「分からんの?使えんわぁ。あんたゴリゴリのゆずるファンなんやろ?何とかして調べいさ。」
翔「そんなん無理やって。東京の事も分からんのに幕張の後の予定なんか分からんわ。」
楓「けど、ゆずるの事やし、後輩連れてちょっと飲みに行こかってやってんちゃうん?」
翔「姉ちゃん、ホンマにゆず兄の事だいぶ詳しくなって来たな。」
楓「だって『真田たち』の姉やもん。秘密結社たるもの、情報収集は絶対やん。」
翔「絶対面白がってるやろ。」
楓「うん。正直言うとちょっとワクワクしてる自分が居てる。でも聞いて。あたしゆずるの事誰にも言うてへんで。」
翔「凄いやん。姉ちゃんが友達に喋らへんってよっぽどやん。」
楓「当たり前田のクラッカーやん。秘密結社の名が泣くやん。」
翔「古っ。姉ちゃん時々ホンマに昭和生まれなんちゃうんかって言い方するよな。」
楓「え?あ、ママが変わってって。」
亜希子「翔?パパは?」
翔「今新幹線で寝てる。」
亜希子「そしたら、夕ご飯はママが買っとくからまっすぐタクシーで来てって言って。」
翔「ママ。みんなで夕ご飯食べに行きたい。」
亜希子「そんなんパパは面倒くさがるわ。何処に行ったらいいのかも分からんのに。ママがお酒も用意しとくからまっすぐタクシーで来てって言って。いい?」
翔「あ…、うん、分かった。もう一回姉ちゃんに変わって。」
楓「あんた結局全部ママに押し切られたな。」
翔「だってある意味パパよりママの方が怖いねんて。」
楓「こうなったら、あたしと翔で全力でパパとママからゆずるを守ろ。な?」
翔「うん。僕全力でゆず兄を守る。」
楓「秘密結社真田たちの力見せたろな。」
翔「うん。姉ちゃん。」
楓「何?」
翔「一応包丁とかカッターナイフとか隠しといて。」
楓「ラジャー。」

駅から楓のマンションに向かうタクシーの中。

竜一はここでも鼾をかいて寝ている。

強面で無茶苦茶お酒に強いと思われがちな竜一だが、本当はかなり弱い。

面倒見が良く、皆と楽しく呑むのは大好きだが、缶ビール1本で顔が赤くなり、2本目で目がトロンとなり、3本呑んだらへべれけだ。

その缶ビールをを竜一は新幹線の車内でもう既に2本空けている。

コテコテの関西人が東京に乗り込むには、「東京なんかに飲まれてたまるか!」ってな気合が必要なのだ。

それでお酒に呑まれてたら世話無いが。

翔「姉ちゃん、もうちょっとで着くと思うで。ゆず兄帰って来てる?」
楓「ううん。まだみたい。」
翔「パパさ、缶ビール2本呑んでもうだいぶ酔っ払ってるねんか。このままもっと呑んだら寝てしまうと思うねん。」
楓「オッケー。パパに気持ち良くお酒呑ませたらええねんな。」
翔「うん。パパは姉ちゃんに甘えられるのが一番嬉しいんやから、そこんとこ上手にやって。」
楓「任せとき!」
翔「じゃ。」
楓「ラジャー!」

まさしく翔がナビになり、タクシーで楓のマンションに到着した二人。

もう竜一の足取りはおぼつかない。

それでもご機嫌でインターホンを連打する竜一。

竜一「おおーい。楓~。パパが来たったどぉー。」
楓「パパぁ~。楓のマンションにようこそ。」
竜一「おう?楓のマンションてか。お前このお金全部わしが出したってんど。
楓「分かってる。パパありがとう。」
竜一「おう。機嫌ようやってんのけ?」
楓「うん。」
亜希子「何狭い玄関で仲良し親子ごっこやってんのよ。パパも翔も早よ入り。」

玄関から中に足を踏み入れ、思わず呟いてしまう翔。

翔「嘘。これホンマにあのゆず兄が住んでるマンションとおんなじ部屋?」

引っ越しの段ボールがまだ全部片付いて無いのは仕方ない。

ただそれにしても、床がほとんど見えてない。

これでどうやって家族4人で夕食を囲むと言うのだ。

でもそれは楓がどんなにだらしないか、良く知る翔にはある程度想像がついていた。

びっくりなのは部屋のインテリアの色彩だ。

楓の好きなショッキングピンクの小物入れやラグ。
ベッドの上にはテロテロのサテン生地のショッキングピンクのハートのクッション。

やっすいラブホテルみたいなのだ。

それに極め付けはカーテンだ。

なんと。
ヒョウ柄のカーテンがバーンと目に入って来る。

翔「これ…、マダムシンコやん。」

翔「姉ちゃん。何をどうやったらこんなケバい部屋になんの?」
楓「何よ。あたしのセンスが無いみたいな言い方。」
翔「無いやろ。ほんでこのヒョウ柄のカーテンは何なん?ヒョウ柄って有り得んやろ?」
楓「違うねんって。カーテンはママが勝手に買って来てん。あたしもむっちゃびっくりやわ。」
亜希子「あんたが買い物に付いて来ーへんのが悪いねんろ。ママに任せた言うたくせに。」
楓「だってまさかヒョウ柄のカーテンやなんて思わへんやん。」
亜希子「面倒くさい事全部ママに任せて偉そうに文句ばっかし言うてんときッ!」
楓「だってカーテンやで。カーテンにヒョウ柄チョイスする人なんか普通居る?」
亜希子「何てぇ?」
翔「ちょっとちょっと。もう止めてぇーや。」
楓「またあんたばっかしええ子ぶる。」
亜希子「もうええわ。ほんでパパは寝てんときッ!」

揉めている3人をよそに、床のショッキングピンクのラグの上でいつの間にか寝てしまっている竜一。

翔「パパ、パパ。起きて。」
竜一「お?おう。」
亜希子「もう~。隣の胸クソ悪い芸人に焼き入れに来てくれたん違うの。」
翔「胸クソ悪い芸人って…。焼き入れる言うてるやん…。」
楓「パパ。お仕事終わって来てくれたんやろ。お疲れ様。缶ビールもう1本呑む?」
亜希子「あんたは頭の悪いホステスみたいな事せんでええの。」
楓「頭悪いのはしゃーないやん。ママの娘なんやし。」
亜希子「何やてぇ?」
翔「ほやから止めてって。ご飯食べようや。ほんでパパはまた寝えへんの!」
竜一「お………ん。」

翔「何やのんな、これ。ゆず兄どころや無いやん。地獄絵図やん。」

亜希子「パパ、パパ!もう起きて。」
楓「なぁパパ、その紙袋何?お土産買って来てくれたん?」
竜一「お?おう。これは河井にや。」
亜希子「はあ?何であんな奴にお土産なんかやるん?」
竜一「お前わしの娘に手ぇ出したらシバキあげるぞって言いに行くのに手ブラで行けんやろが。」
亜希子「この人はホンマに訳分からんとこで、律儀やねんから。」
楓「ゆずるにお土産買うて来てくれたんや。何買って来たん?」
竜一「ほらもう大阪の土産言うたら〝月化粧〟やんけ。」
3人「…………。」
亜希子「ボケてんの?」
楓「何で?」
翔「月化粧ってまんげきの直ぐそばで売ってるし。ゆず兄いつでも買おう思たら買えるし。」
竜一「何やお前ら?文句あんのか?」
翔「文句て言うか…。」
楓「逆に斬新なチョイスで案外ゆずる気に入るかもよ。」
亜希子「気に入るかいさ。あたしの手作り弁当受け取りもせんかった奴が、大阪のその辺で買える土産なんか有り難がる訳無いわ。」
翔「あっ。」
竜一「おう、ワレ。今何て言うた?」
亜希子「あ…。」
竜一「手作りの弁当って何やて聞いてんのや。」
亜希子「な、なんでも無いわ。」
竜一「何でも無い事あるけぇー、お前河井に弁当作ったんか?何してくさんねん!どういう気持ちや?おお?どういう気持ちで作ったんか聞いとるやろがァ!」
亜希子「ウッサいなぁッ。お近づきになろう思たんよ。お近づきになって和牛のチケット貰おう思たんよ。」
竜一「ああーん?和牛?お前河井だけで足らんのか?オラッ!」
亜希子「ウッサいなぁッ!もうどーでもええやろっ!どっちみち向こうはあたしらみたいな一般人の事なんか馬鹿にしてんのやし。こっちは馬鹿にされて無茶苦茶頭に来てんのやから。」
竜一「話すり替えてなよ、ボケッ!」
翔「姉ちゃん、姉ちゃん。ヤバいヤバい。何とかして。」
楓「ゆ、ゆずるはそんな悪い奴ちゃうで!」
竜一、亜希子「アァーン💢?」
楓「ゴメン、翔。無理やった。」
翔「姉ちゃんっ。諦めるの早いねんて。」

4人で夕ご飯を囲む事も、竜一にもう1本缶ビール呑ませる事も出来ないまま、どんどんヒートアップしていく元ヤン両親の喧嘩に、「どーすんねん、コレ」状態の翔と楓。

そんな所に超絶グッドタイミングでアニキが呑気に、コロコロとキャリーバッグを引っ張りながら帰って来た。

翔「あ?」
楓「ゆずる?」
翔「なんちゅータイミング…。」
亜希子「あいつ帰って来たん?」
竜一「おう、どけ。」

楓と翔を突き飛ばし、玄関の鍵を開けようとしてるアニキに突進して行く竜一。

アニキ「うわっ!な、何ですか?」
竜一「お前か?オラッ!うちの娘と嫁にちょっかい出しとんのは?」
アニキ「イヤイヤイヤ、知りません、知りません。」
竜一「知らん?バカにしとんのか、オラッ!証拠は上がったるんじゃ。」
アニキ「何ですか?急に。ちょっとこれ以上騒ぐんやったら警察呼びますよ!」
竜一「オモロいやんけ。呼べるもんなら呼んでみいッ!」

アニキ自慢のサンローランのTシャツの胸ぐらを掴んでメンチ切り倒してる竜一とアニキの間に割り込んだ翔。

翔「パパ、パパ、落ち着いてっ!」
アニキ「ああーっ、ホームの!あの時の少年やんけ。」
翔「今晩は。」
アニキ「今晩は。ちゃうわ。あ、『父、行く』てこれか。」
翔「はい。すいません。時間無くて焦ってああなりました。」
アニキ「俺に謝ってる暇あったら、オトン何とかしてくれ。」
竜一「オトン?お前に父親呼ばわりされる覚えなんかあらへんのじゃッ!」
アニキ「イヤイヤ、そんなつもりちゃいますって。ええ加減離して下さい。」
楓「パパ!あたしのゆずるに手出さんといてッ!」
竜一「ああッ💢?お前やっぱりわしの娘トイレに連れ込んだんか?オラッ!」
楓「パパ。それはゆずるちゃう。アンジャッシュの渡部。」
アニキ「ちょーっ!ややこしいややこしい。話ややこしいしてねんって。」
楓「ゆずると渡部はちゃうでって、ちゃんと言うとかんと。」
翔「姉ちゃん、今多目的トイレはどうでもええから。僕らが守んのはゆず兄やろ。」
楓「あ、そやった。」
竜一「お前ら何をゴチャゴチャ言うとんのじゃ。」
亜希子「ホンマによッ💢辛気臭いっ!こんな外でゴチャゴチャして通報されたら終いやろッ!早よやるんやったら中に連れ込みぃや。」

竜一に胸ぐら掴まれて前がダルンダルンに伸び切ってしまったサンローランのTシャツの裾を引っ張って、楓の部屋にアニキを連れ込もうとする亜希子。

アニキ「うわっ、ちょっと!拉致や拉致!誰かぁ、助けてぇ。」
亜希子「ゴチャゴチャうるさいねんって。」

アニキの膝の裏の辺りにスコーンと踵で一発蹴りを入れる亜希子。

アニキ「痛ッ!痛ーッ!ちょー、殺される!誰かぁ、誰か助けて。」
楓「大丈夫!ゆずるはあたしが助けたる!」

竜一に胸ぐらを掴まれながら、片足けんけんで痛がるアニキに突進する楓。

団子の様に綺麗に楓の部屋の玄関に転がり込む集団。

アニキ「うわぁ、ホンマに拉致やん、怖いって!ちょー少年!お前俺のファンちゃうんか?何とかせえって!」

ヒートアップして行く家族と自分との距離感にしばし呆然としてしまってた翔。

ハッともう一度自分の使命を思い出した。

翔「パパ!ママ!聞いてっ!」
楓「聞いてっ!」
アニキ「ええって、出て来んなって。話ややこしいなんねん。」
翔「ゆず兄は、ママの事たぶらかしたり、姉ちゃんをトイレに連れ込んだりする様な人や無いねんって。」
竜一「知った様な事言うてなよッ!」
翔「知ってるもんっ。僕は知ってんねん、ゆず兄がどんな人か。」
楓「あたしも知ってる!」
翔「姉ちゃんはたいして知らんやん。」
楓「それは過去のあたしやん。今は秘密結社真田たちの姉ちゃんやで。Wikipediaで調べまくったもん。」
アニキ「そんな情報ろくな事無いねんて。」
翔「ママも聞いて!ゆず兄は今は売れてくりくりパーマ掛けたり、お洒落にお金掛けてるけど、元々は無茶苦茶貧乏な家の子やねん。むっちゃむっちゃ苦労してるねんっ!」
アニキ「貧乏な家の子って言うな。」
楓「そやでっ!ゆずるはな、散歩に行ったきり帰って来ーへん父親の代わりにバイトしまくって弟に大学行かせたげたんやでっ!」
亜希子「どんだけ長い散歩なんよ。ほれは蒸発言うねん。」
アニキ「放っといて下さいよ。散歩でええやないですか。」
翔「ほんでな、住んでたアパートも追い出されて、雑居ビルの屋上の掃除小屋で暮らしてやんねんで。」
アニキ「いや、もう出たわ。」
楓「そやで。これ見て!ここで暮らしててんでゆずるは!」

水戸黄門の印籠よろしく雑居ビル屋上掃除小屋&別館の画像が映ったスマホを亜希子と竜一に見せる楓。

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アニキ「もうええって。」

顔を寄せて見入る亜希子と竜一。

竜一「おう、お前ホンマに貧乏人やってんけ。」
アニキ「しっかり貧乏人言わんといて下さい。好きで貧乏やってたんちゃうんすから。」
翔「そやねん、パパ!ゆず兄はな、貧乏でも明るく楽しく頑張って頑張ってここまで生きて来てやんねん。」
アニキ「ちょー、中学生にその言い方されんの腹立つわぁ。」
楓「そやで、翔。あんたあたしのゆずるにむっちゃ失礼やん。」
アニキ「いや、君のゆずるになった覚えは無いのよ。」
楓「細かい事は気にせんとき。ママだって分かるやろ?子供に不憫な思いさせてしもてる親の気持ち。」
アニキ「いや、ほれもっと腹立つわぁ。」
翔「それでもゆず兄はお父さんの事もお母さんの事も恨まんと、今日まで人を笑わせて笑われて頑張って生きてやんねで!」
アニキ「笑われては余計やろ。」
楓「スゴない?こんなゆずる、スゴない?」

「ウ…ウ…ぐっ…。」

うん?

竜一が泣いていた。

アニキ「うわっ、泣いてますやん。」
竜一「うぉ、うぉ~、ウォ~-ン💦」

ガシッとアニキを抱き寄せる竜一。

アニキ「痛い痛い痛い痛い!ほんでコロナが怖い!離してえ、離して下さいって。」
竜一「河井ぃ!河井ゆずる!お前無茶苦茶純粋でええ奴やんけ。」
楓「そやで!ゆずるは無茶苦茶純粋ないい奴ねん。」
アニキ「ほやから、君は俺の何を知ってんねんて?」
翔「僕は知ってる!ゆず兄がもうじき40歳やのに、一生懸命若作りして第7世代にも負けん様に頑張ってる事。」
アニキ「ほやから…。」
竜一「ウォ~~-ン💦」
アニキ「ここ泣くとこちゃいますって!」
楓「貧乏なんかに負けるなっ!」
翔「そや、貧乏なんか笑い飛ばせっ!」
アニキ「貧乏貧乏言うてくん…」
竜一「ウォ~~~~ン💦」
アニキ「鼻、鼻出てもうてる!もうコロナ怖いねんてッ」
竜一「貧乏バンザーイ!」
楓「貧乏バンザーイ!ほら、ゆずるも一緒に!」
アニキ「せえへんわ、何やねん、これ…。」
翔「貧乏バンザーイ!」
アニキ「おいっ!少年お前もか!」
翔「ゆず兄っ!恥ずかしい事なんか何にも無いっ!だってゆず兄は貧乏に負けへんかってんもん!恥ずかしがらんと、ゆず兄も一緒に!」
竜一、楓、翔「貧乏バンザーイ!貧乏バンザーイ!貧乏バンザーイ!」

アニキ「勘弁してくれってぇッ💢」



亜希子「アホ臭ッ!」


『完。』……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

(注)この物語はもう一つの物語の序章である。

序章のはずが、行き当たりばったりに書き進めた結果、あっちに逸れこっちに逸れ、想定外の登場人物が現れ、恐ろしく長い話になってしまった。

あたしが本当に書きたかったのは、これでは無い。

そう。
これは序章。

なので……。

『To be continue。』