『やすとものいたって真剣です!』~アインシュタイン編~

『やすとものいたって真剣です!』に、アインシュタインがやっと登場。

去年10月に始まったこの番組。

他の媒体ならオブラートに包んだり、ワンクッション置いてやんわり聞き出す様なまどろっこしい部分をスコーンと飛ばして、どストレートに質問をぶつけるやすともさんに、漫才についてお笑いについて、コンビの間のわだかまりやお互いに対する嫉妬まで、ゲストの芸人さん達が今までハッキリ口にするのは恥ずかしいと思ってただろう事を、気が付けば赤裸々に語ってしまう。

テレビや雑誌のインタビュアーさんや、お笑いのライターさんとは違って、同じ漫才師の先輩であるやすともさんだからこそ、分かってもらえる気持ち良さや、アドバイスをしてもらえる有り難さに芸人さんがどんどんどんどん喋って行く様にグーッと引き込まれて、あたしはこの番組大好きなのだ。

その『やすとものいたって真剣です!』にやっとアインシュタインが登場する。

どんな話をするんやろ…と無茶苦茶楽しみにしていた。


…………っと、その前に。

芸人さんがディレクターになって、気になる人に密着する芸人ディレクターのコーナーに、プラスマイナスの岩橋さんっ!

岩橋さんが芸人ディレクター……?

なんか、嫌な予感。

予感的中。

もう全力全開のクセが出てまう岩橋さんやった。

冒頭、ターゲットの所に行く前に
すゑひろがりず~。すゑひろがりず~~。」と無茶苦茶デカい声で叫ぶ岩橋さん。

「え?今回のゲスト、すゑひろがりずちゃうやんな?」
すゑひろがりずも一緒に行くって事??」
と頭ん中に?マークが何個か浮かんだ結果、全く関係無かった。

すゑひろがりず、影も形も無し。

そんならあの「すゑひろがりずぅ~。すゑひろがりずぅ~~。」は何やったんや?

意味分からん。

スタジオのやすともさんもアインシュタインも、「すゑひろがりずぅ~。」と岩橋さんが何で叫んでたのか説明出来ず。

ってか、誰も多分説明出来ん。

岩橋さん。
飛ばしまくります。

〝変なクセが出てまう岩橋さん〟
今回、絶好調!

この状態の岩橋さんを文章で表すには、あたしの語彙力文章力では無理。

ずっと「カクカクコンっ!」的な擬態語と予想不可能な無駄でしかない動きを恐るべき数打ってくる岩橋さん。

絶対芸人ディレクターに選んだらアカン人ランキングなら、天竺鼠・川原君と双璧を張る。

ボケ倒して、クセ発動しまくる岩橋さんがこのコーナーのメインでは無いのだ。

岩橋ディレクターが密着したのは、ニューヨークの屋敷君。

コロナ自粛中に版画を彫リ出した屋敷君。

キングオブコント準優勝。
初出場した去年のM-1グランプリでもしっかり爪跡を残したニューヨーク。

本業のお笑いとはまた別軸の版画でも、個展が開けるまでになった屋敷君。

そんな屋敷君を取材する為に、由緒ある温泉旅館を借り切って、版画を彫る過程に密着。

むっちゃ贅沢ではないか!

番組お金使ってるがな。

でもこの時点で、もう尺の半分以上、岩橋さんが使ってもうてるけど。

尺は使うわ、取材中爆睡するわ、「どの辺がディレクターやねん!」とツッコミ疲れる。

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あたくし、屋敷君が版画を彫ってたのは一応知ってはいた。 

でも毎朝8時に目覚まし掛けて、一日一人の版画を彫ってたと聞いてびっくり。

凄い。
それってなかなか出来る事では無い。

時間があって何処にも出掛けられ無いとなったら、おうちでテレビ見たり雑誌読んだり、ダラダラしてしまうのが人間の性。

こういう時にどう動けるか、どう時間を使うかで、人間としての幅や厚みに差が出て来る様に思う。

なんか見ながら自分自身を反省。

屋敷君が眩しい。✨
「うっ、目を開けられないぜ。」

太っちょでは無いのに、何でかアゴが無い亀の様なフォルムの屋敷君。

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「そこそこイケメンやのに、なんかアゴが無いのよなぁ~。」
「横向くと亀に似てんのよなぁ~。」

あたしは秘かに、『亀首屋敷』と心ん中で呼んでいたのだけど、そんな自分を恥じました。

『亀首屋敷』
今日をもって何処かに葬り去ります。

温泉旅館を借り切って屋敷君が彫るのは、勿論やすともさん。

元になる画像はこちら。

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それが屋敷君作版画になるとこうなる!

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「無茶苦茶格好いいやんっ!」
「顔の輪郭とか彫らなくてもちゃんと表現出来るんや。」
「いたって真剣です!のポスターのやすともさんの目の鋭さも無茶苦茶ちゃんと表現出来てる。」

う~~~~ん。
いいっ!

洗練された綺麗な線では無いけれど、それが却って力強さを生んで、良い味出してる。

いいなぁ。
あたしも彫って欲しいなぁ。

〝ニューヨークの芸風〟で検索すると
「毒っ気たっぷり」とか「皮肉と偏見に満ちたネタ」なんてのばっかり出て来る。
ちょっと嫌な奴要素がだいぶ入ってるに違いないと思ってた屋敷君の印象が随分変わった。

なんか、凄いストレートに変に飾らずそのまんま自分の思ってる事を言葉にしてる感じ。

普段のプライベートとネタの中の屋敷君では勿論かなり違いはあるんやろうけど、高感度激上がり⤴️

なんて、単純なんだ、あたし。

面白くて、一芸に秀でてる。

最強やん。


……と、ここまで書くのに二日掛かった。

クセが出まくる岩橋ディレクターをどう表すか、無茶苦茶難儀して、書いては消し書いては消し。

あたしはアインシュタインについて書きたかったのに。

結局行数だけ無駄に費やし、大した中身にならないままギブアップ。

もう詳しくはTVerで見て!

面白いのは保証する。

https://tver.jp/corner/f0063703


さあ、アインシュタイントークに戻ろう。

先週の次週予告VTRから、事前インタビューで出た稲ちゃんのこのフレーズで煽ってくる番組サイド。

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若い純粋無垢なアインシュタインファンなら
「ええっ!嫌だっ!」
「ウソっ!解散するかもしれへんなんて、信じたくない。」
と、動揺したりするかもしれんが、
「稲ちゃんもちゃんとV振りに使える台詞仕込んで来るよなぁ。」
と、素直に一喜一憂出来る純粋さを何処かに置いて来てしまった53歳のあたし。

でもそれでもやっぱり、何でこの台詞が稲ちゃんから出て来たのか知りたい。

元々アインシュタインは、仲良しこよしが売りのコンビでは無い。

プライベートでは行動を共にする事はまず無いし、仕事現場への移動も全く別である。

26期と28期の先輩後輩コンビというのもあって、ちょっとポンコツな稲ちゃんを、礼儀礼節にやたらウルサいしっかり者のアニキが、「何してんねんッ。」「何やねん、それぇ。」「どういう事やねんッ。」と稲ちゃんの生活態度や人となりを注意しまくる。

そこは踏まえた上で。

話はコンビ結成当初の稲ちゃんの見た目から来る苦労話に。

前説に出て行っても、お客さんが稲ちゃん見てザワザワするとか、今田さんに「アカン、アカン。こんなんアカン。」と言われたとか、ファンならお馴染みエピソード。

でも、アニキが稲ちゃんが喋らせて貰えれば、面白いと分かってもらえるのに…。と稲ちゃんに対しても言ってたってのが、新鮮。

「へぇ~。怒ってばっかしや無かったんや。」

その当時の話を聞いた後のやすよさんの「お客さんが見慣れたんじゃなく、稲ちゃんの事をイジってもいいんやって世間が思ったって事やんね。」に「ふむふむ。」と頷く。

その後の「あたしらも凄い後輩おるって思ってた。」に爆笑!

言うてまうんや、それ。

更に話は稲ちゃんがアニキに対して感じてる不満に。

アニキが何を考えてるのか分からない。
お互いイライラして空気だけ悪い。
そういうのを解消する為にも1回ご飯でも行きませんかって誘っても乗って来ない。

1回ご飯でも行って、お互いの感じてる事を出し合ったり、もっとお互いの事を知ったりして、コミュニケーション取って擦り合わせたい稲ちゃんと、最初の5年で散々注意して、言うべき事は言って来た自負があるからこそ、その誘いに乗る気になれないアニキ。

稲ちゃんの言う事に無茶苦茶共感。

美魔女芸人とか奇跡の40歳とか、アイドルの様な見た目を注目される事の多いアニキ。

でも中身はゴリゴリの男くさい男。

〝男とはこうあるべき〟〝女はこうでいて欲しい〟
そういう意識が人一倍強い。

一昔前の昭和の男。
もしくはちょっと封建的でさえあるアニキ。

前に「〝また稲田の事怒ってる〟って思われてたかも知れんけど、どう思われてもいいからとにかく何遍もド真剣に注意して来た。」と語ってたアニキ。

5年間は言うべき事は口酸っぱく言ってきた。
なのに何を今更…と思うアニキの気持ちも分かる。

けどさ。

行ったったらええやん。
1回ご飯行くだけやん。
別に膝突き合わせて、お互いの今後について真剣に語る訳で無し、ちょっと思ってる事を稲ちゃんが喋れて、それでスッキリ出来て、イライラが減るんなら、ご飯1回行くくらい行ったったらええやん。
ホンマそういうとこ頑固よな。

と、思いながら見る。

どんどん質問を浴びせる事で、コンビ間に生まれた歪みの原因に迫るやすともさん。

こういう時、やすともさんはインタビュアーには決してならない。

テレビを見ている人に分かり易い様に、聞き出して行く第三者目線では無い。

とにかく自分達が本気で目の前のゲストがどう思ってるのか知りたい。

その欲にもの凄く正直だ。

作られた言葉では無い自分達が普段使ってる言葉で、楽屋に相談に来た後輩に時間を割いてとことん話を聞いてあげるスタンスで、自分達が掘り下げて聞きたい事を、野次馬根性とも言ってしまえる好奇心丸出しでゲストに迫る。

その熱量と、話を聞いた上で「こういう事やんな?」と確認して行く、決して一方的に決め付けてしまわない幅。

この両方があるから、聞いていて見ていて納得出来て満足出来るんやと思う。

やすともさんのリードにヒートアップして矢継ぎ早に話すアニキと稲ちゃん。

でもそれでも「分かった。ほなご飯行こか。」とアニキに言ってもらえない
稲ちゃんの心の叫び。

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「いじらしいっ。」

やすともさんもてっきり稲ちゃんの気持ちに共感するのかと思いきや、「面倒くさい女子みたい。」と。

「確かに!」
「そうかも。」

この件に関しては、思考回路は稲ちゃんと全く一緒のあたしは、自分の事を言い当てられた様でハッとする。

誘っても誘ってもご飯に行ってもらえない。
断られた事にずっと引っ掛かり続ける。

それって確かに好きな男の人の周りを、チョロチョロしてしまう女の子の行動と一緒。

「ゆずる君。こんなに稲ちゃん言うてるんやから、何で一緒に行ったげへんの?」とは決してならない。

そこがイマイチ不満げな稲ちゃんではあるけど。

でもしゃーないわ。

だってさ、アニキはやすともさんの楽屋を頻繁に訪れて挨拶したり、ちょっと相談に乗って貰ったり、あとこれはあたしの完璧な憶測やけど、美味しい差し入れしてみたり絶対無茶苦茶マメにしてるで。

オリンピック開催の誘致に向けて行うロビー活動の様に、そりゃあもうしっかりと根回しには抜かりの無いアニキだもの。

やすよさんに「ゆずる君は稲ちゃんの事ちゃんと考えてたで。」

ともこさんに「あたしらはゆずる君の事ピンの時から知ってるってのもあって、無茶苦茶信用してる。」

こうまで言わせるんやもん。

『女帝攻略させたら右に出るモンいいひん。それが河井ゆずる

ラスト。

ともこさんの「ゆずる君が選んだ相方やと思ったから稲ちゃんの事知りたい。」

「…と思ったけど、ちょっと○○○。」
に爆笑!

お腹捩れる程笑う。

もぉ~、お笑い好きの人全員に見て欲しい。

https://tver.jp/corner/f0063703

このブログ書くってのもあったけど、面白過ぎて4回も見てしまった。

永久保存版。

でもさ、よくよく考えたら、他のゲストの芸人さん達は、漫才師としてやって来た葛藤とか、売れない頃をどうやって乗り越えて来たかとか、漫才やコントに対する自分達の思いの丈とかを話してたのに、アインシュタインは結局『ご飯行くか行かへんか』

これしか喋ってない事無い?

『なあ?大丈夫か?来年のM-1。』