師走のトンでもルーキー。

師走も残すところあとわずか。

今は冬休みなので、新しい学生バイトがやって来る時期でもある。

その中の一人、Y君。

これがまた何と言えばいいのか…。

初めてのトイレ掃除を教えてあげてた時の話。

あたし「まずは床のゴミをほうきで掃いて、ちり取りで取ってくれる。」
Y君「はい。」

もしかしてほうき持つの初めてなんか?と思う程の不器用な手つきでほうきを扱い、ゴミを集めるY君。

そして、集めたまま固まっている。

あたし「うん?ゴミ取って。」
Y君「あ、はい。」

突然ガバッとしゃがみ込んだY君は、床のゴミを手で集め始めたんである。

あたし「え?なんで?ちり取りあるやん。」
Y君「あ。はい。」

な、なんや、これは。
もしかして、ボケかまして来てんのか?

続いて、洗面所の鏡を濡れた雑巾で拭いて、その後乾いた雑巾で二度拭きして。と伝える。

その間に女子トイレの掃除をしていたあたしに「出来ました。」と言いに来たY君。

見に行くと、鏡は綺麗になっている。

でも洗面台に水が飛び散ってビチャビチャ。

洗面台もちゃんと拭いて、雑巾をゆすいで片付けてと言うと…。

洗面台の蛇口で2枚の雑巾をゆすぎ始めたY君。

うちのお店の洗面台の蛇口は、手を差し入れると自動的に水が出るタイプ。

雑巾をゆすいで絞っている時も、蛇口の下で絞っているので、絞っている最中にも水が出て来て濡れる。

絞る→濡れる→また絞る→また濡れる

なんだこれは?

新種のボケかまして来てんのか?

3回このローテーションを見た後、あたしは言う。

あたし「何してんの?」

プチパニックみたいになっているY君は、両手にそれぞれ1枚ずつ雑巾を持ってどうしたらいいのか一瞬考えた挙げ句、掌の中の雑巾をギューッと握って片付けようとした。

あたし「ちょっとちょっと。もっとちゃんと絞って。1枚ずつしっかり絞ってよ。それびちょびちょやろ?」
Y君「あ、すいません。」

危なかっしい手つきで何とか絞り終わったY君に、床に水を撒いてデッキブラシで磨いてと伝えて、再び女子トイレの掃除に戻ったあたし。

「出来ました。」の声に見に行くと、男子便器の下だけが濡れている。

入り口の所も濡れてないし、二つある個室トイレの床も乾いたままだ。

あたし「なんでここだけしか磨いてないの?入り口も個室トイレも全部磨いてよ。」
Y君「あ、はい。」

なんで?
なんでなんだ??

この「床に水を撒いてデッキブラシで磨いて。」と伝えて、男子便器の下しか水を撒いて磨かない。と言うパターンは3人目なのだ。

床に水を撒く=男子トイレ全部の床に水撒く

では無いのか?

なあ、いちいち「ここの部分とここの部分とここにも水撒いて磨いてね。」とあたしは言わないとアカンのか。

どうなってんだ、ニッポンの若者よ。