ツチノコ探し。
約半年振りの草刈りでヘトヘトになる。
「疲れた~~。」と言いながらベッドへ。
そして、疲れ切ったあたしは夢を見た。
すこぶる山奥の林の中で、あたしはツチノコを探していた。
モグライダーの芝君のお父さんと。
なんで急にモグライダーの芝君のお父さんなのか。
今週の月曜日、ラヴィットに出てたのだ、モグライダーが。
いつもNHKの朝ドラを見てから、出勤するまでの10数分、あたしはラヴィットにチャンネルを合わせる。
そしたら、出てたのだモグライダーが。
不意打ちで。
この日は、高速道路が開通した記念日らしく、各ゲストがお薦めの道を紹介してた。
でも、朝ドラを見てる間に、芝君の紹介シーンは終わったらしく、仕事から帰って来てTVerで見る。
しかし、朝の情報番組がTVerで見れるなんて、ラヴィットは世の中的にはもうしっかりした大喜利お笑い番組として、認知されたって事なんだろ。
スマホの小っちゃい画角の中で、芝君は実家に至る山道を紹介していた。
そして、実家をリフォームし、民宿を経営してる芝君のお父さんとお母さんが出てたのだ。
お父さんは、若い頃はさぞかしモテただろうと思える、白髪も格好いい男前のお父さんだった。
お母さんも元高校教師と言われればぴったりな感じの(高校教師だったかどうかは知らない)理知的なお母さんだった。
さすが接客業を営んでるお二人。
インタビューもそつなくこなし、「やっぱ、芝君のご両親だけあって、素敵なお父様お母様だわ。」と、あたしの心に深く刻まれる事になったのだった。
あれから4、5日経つのに、今頃夢に出て来るお父さんの焦らし具合が憎い。
夢の中で芝君のお父さんはちょっとした時の人だった。
ツチノコを見たと地元紙に紹介されてて、そっからあれよあれよと言う間に、全国区のTVや週刊誌に取材される日々。
が、しかし。
実際にツチノコを捕獲した訳では無く、胡散臭いと言われ出してて、じゃあもう一度ツチノコを探しに出掛けましょうとなり、なんでかそのパートナーがあたしだったのだ。
ところで皆さん。
ツチノコって何かご存知か?
今、40歳以上の人なら知っている、実在するのかしないのか、未だ謎だらけの生物。
こんな感じ。
あたしが子供の頃は世間を揺るがす一大ブームで、テレビをつければ、あっちでもこっちでもツチノコ探しをしていた。
あたしと芝君のお父さんは、お父さんが前にツチノコを見たと言う林の中へ取材陣を引き連れ入って行く。
険しい山道、顔に当たりまくる小枝をかき分け、道なき道を行く。
「やっぱりツチノコなんて、居てへんちゃうの…?」と、疲れ切ったあたしの頭の中に疑問が浮かんで来たその時、真っ白に光るアナコンダの様な化け物級にデカい大蛇が藪の中から現れたんである!
「ウンガァっっ!!」
あまりの衝撃に藪の中を転がり落ちるあたしと取材陣。
でも、芝君のお父さんは「待てぇーー!」と叫びながら大蛇を追い掛けて行ってしまう。
「お父さんっ!危ないですぅっ!」と叫びながら必死に追い掛けるあたし。
どれくらい追い掛けただろう。
ちょっと開けた草地でへたり込むお父さん発見。
「逃げられてしもた…。」うなだれるお父さんの背中をさするあたし。
そんな二人をガメラに収める取材陣。
『謎の巨大ホワイトアナコンダ発見!』
新たなニュースの主役になったお父さん。
お父さんと並んで取材を受けるあたし。
そこで、「実はこのご主人の息子さんは、昨年のM-1グランプリの決勝に勝ち進んで、今や大ブレーク中のモグライダーの芝さんなんです。」
「今、中継が繋がってまーす。」
「モグライダーの芝さぁーん。」
カメラ越しに芝君が映る。
お父さんが芝君に話し掛ける。
「大輔、ホンマにわしは見たんや…。」
芝君。
「知らねぇよ。」
「何やってんだよ。」
愛媛県出身だと言うのに、なんでかバリバリの東京弁でツッコむ芝君。
「そっか。残念やったね。」
そう言って、ねぎらって欲しかった。
あの山道分け入るの大変やったのよ、芝君。
そう思った所で目が覚めた。
そして、あたしの顔の上に、ゆる~いS字形の抱き枕が乗っかっていた。
ところで、ラヴィットと言えば、見取り図のモリシが、ランキングコーナーであろうことか、スタッフさんの台本を覗き見て、不正を働きクビになったらしい。
どーでもいいが、あんなペースでランキング発表してたらいずれネタ切れになるぞと思ってたら、この前は『スーパーで買える美味しいベーコンランキング』たらをやっていた。
ベーコンのランキングみたい知りたいか?
ネタ切れにも程がある。
そんなこんなで、
モリシ。
「さいなら。」